ごあいさつ
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第25回日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会 |
会長 増山 敬祐
山梨大学大学院医学工学総合研究部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
第25回日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会を担当させていただくにあたり、本学会員の皆様に心より感謝申し上げます。また、第25回という節目の年に学会長を仰せつかり、光栄に存じますとともに責任の重さを感じております。
私は、第1回の研究会の頃から参加しておりますが、学会になりましても初期のスタンスを全く変えず、原則1会場主義を貫いておるところがとても気に入っています。最近では演題数の増加でポスター演題も含まれすべて1会場というわけにはいかなくなりましたが、今回も同様の精神で運営していきたいと考えています。
さて、アレルギー・炎症・癌と様々な分野で疾病の免疫学的分子機構が次第に明らかにされるに伴い、それらに対する治療戦略として免疫学的変調を調節する手法が考案されるようになりました。大雑把に言ってしまえばすべて免疫学的な治療になりますが、免疫学的治療の基本は抗原特異的免疫療法であります。そこで、今回の学会のテーマは「免疫学的治療の新しい展開と将来」とし、特別講演やシンポジウムでは癌やアレルギーの免疫療法を取り上げることにいたしました。
初日の教育講演は、山梨大学免疫学講座の中尾篤人教授と理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センター免疫細胞移植ユニットの藤井真一郎先生に話題提供をお願いしています。特別講演として、東京大学医科学研究所先端医療研究センター外科・臓器細胞工学の田原秀晃教授に癌ペプチドワクチン療法について、トランスレーショナルリサーチの実際と今後の展望について言及していただく予定です。学会のシンポジウムでは、アレルギー性鼻炎の免疫療法を取り上げました。免疫療法は治癒が期待できる唯一の治療法で100年という古い歴史を持ちながら、日本ではいまだ一般的な治療法とはなっていません。シンポジウムでは免疫療法の現状と将来について討議していただき、一般医家への普及の道を探っていければと考えています。
さて、この学会には英国から特別講師を招聘する予定です。私が以前留学先でお世話になりましたStephen Durham教授です。彼は、花粉症の免疫療法あるいは薬物療法について造詣が深く、本学会の海外特別講師に相応しい人物と考えています。
最後に、耳鼻咽喉科関連の甲府での全国学会開催は、1989年の基礎耳科学会(村上嘉彦山梨大学名誉教授主催)以来18年ぶりです。甲府は武田信玄ゆかりの地、四方を八ヶ岳、南アルプス、富士山と高い山に囲まれ、伝統あるワイナリーも多く、葡萄酒はもちろん水もシングルモルトもとてもおいしい所です。足を伸ばせば富士五湖、富士急ハイランド、もちろん石和温泉も近くにあります。ぜひ、本学会にご参加いただき山梨のすべてを満喫して下さい。
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